透かし彫りのひょうたんランプ

 貴重な大瓢箪を彫り始める時は失敗をしたら取り返しがつかないので慎重になります。根気良くコツコツと時間も気にせず妥協もしない、特に仕上げには満足するまで時間を掛けます。

  

 

 

 

(1) 波文様の透かし彫り

直径:23cm、高さ:42cm
直径:23cm、高さ:42cm

        2004年

 初めての透かし彫りに挑戦、イボ瓢箪のイボ無しが出来たのでランプシェードをと考え付きました。彫る道具は手作り、構図も手探り状態でした。厚さは10㎜以上で正面は硬質プラスチックの様に硬く、また粘りがなくもろいのにはまいりました。なにもかも初めてなので時間ばかりが過ぎ焦りだけが先にたちましたが、根気にまかせて一日8時間ほどの作業で約半年後無事完成しました。

 

 

(2) 桜と南天

直径:32cm、高さ:63cm
直径:32cm、高さ:63cm

          2005年

 道具を改良して作業アップを狙いましたがまだまだ改良する余地があります。

 作業はリビングの床に座り両膝に支えながら彫ります(机の上では作業が細かいのと不安定なので無理です)。ゴミ袋の中に瓢箪を入れ削りかすを床に飛び散らないように対策をしていますが、うるさい、臭い、散らかすの三拍子の作業を朝から晩まで毎日続けたら怒られるのはあたり前ですね、でも作るのが楽しみで止められません。

(3) 紫陽花

直径:27㎝、高さ:55cm
直径:27㎝、高さ:55cm

          2005年

 下絵を描くのが面倒で手抜きをし、直接彫り始めて後悔しているのがこの作品です。紫陽花に見えないのでカタツムリを書き足したりしました。

 教訓:手抜きは作品に表れるので気が乗らないときは、作業を何日でも中断し他の趣味をすること。

(3) 菊文様

高さ:54cm、直径:27㎝
高さ:54cm、直径:27㎝

           2006年 

 大瓢箪の作品を完成するまでには、種まきから始まり栽培、収穫、水付け、収穫、乾燥そして加工にと1年半から2年ほど掛かります。365の菊文様を一年に見立てて手を抜かずに完成までは頑張れと自分に言い聞かせるための作品でしたが、幾つ彫れたかと数える毎日で先が見えない作業が続き何故こんな細かいことをと考えたりもしましたが。6ヶ月以上精魂こめて作り上げたのがこの作品です、自分でも見事な作品と思っております。

(5) 梅文様

高さ:50㎝ 直径:31㎝
高さ:50㎝ 直径:31㎝

           2007年

 瓢箪栽培には邪道ですが、露地栽培で自然の持ち味を出して見ようとスイカのように転がして栽培して見ました、利点は節ごとに根が張るので肉厚な丈夫ななものが収穫出来ること、欠点は地面についたところが虫に食べられたりして傷がつくことです。

 傷のところは幹にして古木の雰囲気を出して見ました。

(6) MM21

高さ:50㎝ 直径:30cm
高さ:50㎝ 直径:30cm

           2007年

 横浜開港150年を記念してビーズ6千個以上を使い花火をイメージ、ビーズからの可視光が思わしくなく少々ぼけた作品になりました。ランプシェードに使用するには値段は張りますが透明度の良いスワロスキービーズが最適と思います。

 写真は花火の雰囲気を出すため手振れ撮影をして見ました。

(7) 小宇宙

高さ:31㎝ 幅:37cm
高さ:31㎝ 幅:37cm

           2007年

 遥かかなたの小さな惑星から現れたUFOかキノコ星人か、曲がりくねったアメリカ瓢箪に変形中国瓢箪の組み合わせを思いつきましたが、電気の配線は?どうしたら倒れないか?等の問題が生じましたが無事完成したのがこの作品です。私の一押し作品です。

(8) 藤

高さ:53cm 幅:33cm
高さ:53cm 幅:33cm

           2008年

  何時もの事ですが、良い案が浮かぶまでは身の回りに置き眺めています、この癖のある瓢箪に思い悩んでいるときに庭の藤が咲きだし、この瓢箪には藤が一番お似合いと直感し完成したのがこの作品です。

 

(9) 桜と梅のボンボリ

高さ:26cm 直径:15cm
高さ:26cm 直径:15cm

           2009年

 手作りの内裏様に一対のボンボリをと考えてから数年後、対に手頃な中国瓢箪が採れました。台はクリスマスの頃花屋さんで売られているおもちゃカボチャですが、これがなかなかの曲者で瓢箪と違い直ぐに腐ってしまいます。試行錯誤でまた数年が立ち20数個の内3個だけ成功したに過ぎません。完成まで5~6年が経ちました。

 

(10) 花文様

高さ:45cm 直径:15cm
高さ:45cm 直径:15cm

           2009年

 くびれのないマクラひょうたんは作品にするには単純過ぎて面白みに欠けています、逆さの構図も良くないのと台との調和が取れていません、何時の日か修正をして日の目を見せてあげようと思っています。

 オカベマリーとこのマクラはカッターナイフや彫刻等でも刃が立たない代物です。

(11) 紅葉

高さ:45cm 直径:20㎝
高さ:45cm 直径:20㎝

           2010年

 単純なマクラ瓢箪ですが、硬く肉厚も厚いので作業中あまり割れる心配もないので、立体感を出すため総透かし彫りに挑戦して見ました。

(12)木漏れ日

高さ:30cm 直径:17㎝
高さ:30cm 直径:17㎝

           2012年

 このマクラ瓢箪5年程前に栽培したものですが、1株で36個も収穫出来たのには驚きました。単純過ぎて扱いに手を焼いていましたが良いアイデアが浮かんできましてので順次作品に仕上げてゆきます。

 雑木林を散歩中刻々と変化する木漏れ日の光景を目にしてこの作品を作りました。光の変化は中に走馬灯を入れて表現しました。

(13) 桂林

             2011年

 未熟瓢箪の自然乾燥をしたもの、1~2㎜と皮が薄いので透かし彫りには向かないので穴を開けて山水画を。穴は0.5㎜のドリルの刃に柄を取り付けて手作業で穴を開けました、未熟瓢箪は皮下が柔らかく空けた穴も膨張して直ぐに塞がるので、同じところを2回3回を空け直さないと光が通るようになりません、これが一番単純で辛い作業です。

 

(14) 鷲三態

高さ:35cm 直径:17㎝
高さ:35cm 直径:17㎝

           2012年

  ローキー山脈の山麓を遡上する鮭を狙う白頭鷲、リアルタイムに表現して見ました。

 

(15) 蔦

高さ:56㎝ 直径:27cm
高さ:56㎝ 直径:27cm

           2012年

 連作すると病虫害の抵抗力に弱く株も早く上がり未熟や薄皮瓢箪になりやすい事は分かっていますが猫の額の栽培場所ではとあきらめています。(本当は言い訳かな)

 これもその一つ、丸やすりで簡単に穴が開くほど薄くてもろい代物です。穴を開けただけでは蔦の紅葉が表現出来ないのでアクリル絵の具で着色しました。

 

 

 

(16) クジャクシダ

高さ:55㎝ 直径:30cm
高さ:55㎝ 直径:30cm

         2013年

 庭に生えているクジャクシダを素材にしてまとめて見ました。